パラリンピックには自転車競技があります。視覚障害者が出場する種目ではタンデム自転車が使用されます。前部座席に晴眼者、後部座席に視覚障害者が乗ります。ですが公道では、都道府県の道交法施行細則等で自転車の2人乗りが禁止されており、タンデム自転車もこのルールに基づき禁止(16(くらいの)府県では解禁済み)となっています。

オランダチームの要望から解禁へ

パラリンピックの合宿に来て、公道でタンデムが乗れないのでは、練習ができません。東京大会を前に千葉県内を視察したオランダの競技関係者が「タンデム車は利用できないのか」と疑問を抱いたことから、合宿誘致を目指す館山市が昨年6月、県警に細則改正を要望とのこと。外圧が効果的なんですね。ちなみに、16年リオデジャネイロ・パラリンピックで女子タンデムのロードタイムトライアルに千葉市出身の競輪選手、田中まいさん(28)がパイロット(前乗り役)役として出場、銀メダルを獲得したそうです。

東京都でも公道禁止

パラリンピック開催都市で禁止されているというのも、?な話なので、いくら何でもパラを機に解禁されることでしょう。

日本では「おもしろ自転車」

タンデム自転車は日本では遊園地なので「おもしろ自転車」的な位置づけで、公園や特設コースなど、一般に開放されないコースでレンタサイクルとして貸し出されていることが多いと思いますが、海外、特にヨーロッパ等ではよく見かけます。ニュージーランドでもいっぱい見かけました。タンデムって重量は重いので登り坂道はしんどいのですが、下りや平地はめちゃ速いんですって。後ろの人にかかる空気抵抗がほぼないのと、タイヤが少ないから路面抵抗も少ない。タンデムは単なる「おもしろ自転車」ではなくて、2人で自転車で走るならタンデムの方が合理的なのです。2人の距離も近く、話しやすく、一体感あるし、旅をしたら別々の自転車にのるよりずっと楽しいでしょう。

障害者でものれる自転車

タンデム自転車なら、パラリンピックなど競技として取り組む人だけでなくても、障害を持った人たちでも自転車に乗ることができます。自転車に乗ったことがない障害者の方達でもサイクリングができるのです。同じ車輪がついた「車いす」という移動手段だったものが、タンデムにのって風を切って走ることができます。街を走って、自然の中を走って、世界がぐっと広がります。スポーツとして、趣味として、自転車は大変楽しいモノです。障害者の方でもこれらを享受できるよう、タンデム自転車が普及することを願っています。

 

 

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